INFINITASコンのネジが錆びる件について

先日コナミスタイルから発売された新専コン(プレコン、INFコン)こと「beatmania IIDX 専用コントローラ プレミアムモデル」ですが、使用されているネジが錆びたという話を耳にしました。

これは基本的に避けられない運命ですが、使用開始後すぐに錆びてしまったというのは酷な話です。コスト削減のために安価な鉄を使用したと思われます。
他にも同様のツイートが見受けられました。

目次

サポートによる交換

コナミスタイルからの回答によれば、ネジは専用の特注品を使用しており、錆びてしまった状態であれば交換に応じるとのこと。ネジが錆びていると分かる写真が必要だそうです。
コナミスタイルから直接購入した方でなければ受けられない対応だと思われますので、オークションから購入した方は交換できません。

このサポートを受ける方はコナミスタイルにメールをして終わりとなります。
※発売から時間が経っていることから、現在は交換サポートがないという情報もあります

自分で交換

純正のネジの規格を知りたかったのですが、「ネジの仕様については公表を行っておりません」とのこと。
そういうわけなので、どんなネジが使われているのか探ってみました。
なお、底板や中身の部品を留めているネジは除外しています。

間違っていたらご指摘ください。

場所種類規格長さ(mm)頭部個数
天板(スクラッチ側)六角穴付き皿ボルトM410超低頭(1.5mm)4
天板(ボタン側)六角穴付き皿ボルトM416超低頭(1.5mm)4
側板六角穴付き平頭タッピングネジM3.510超低頭(1.5mm)8

備考を付け加えるなら、側板のタッピングネジは先端が平らであることでしょうか。

ちなみに、必ずしも表の通りのネジを選ぶ必要はありません。重要なのは規格と長さくらいで、他は拘らなくても問題なく使用できます。ただし、側板だけはピッチ(ギザギザ)の間隔が広くなっているタッピングネジや木ネジでなければなりません。

天板のネジの代替品は調べればすぐに見つかると思いますが、側板のネジはかなり特殊なようで、なかなか見つかりませんでした。

ダイソーの木ネジでも締められるので、それで凌ぐという手段はありますね。

ダイソーの木ネジ(表側)
ダイソーの木ネジ(裏側)

木ネジの場合、M3.5の全ネジ(根本までギザギザ)タイプであれば基本的に何でもよく、側板だけはネジがかなり長くても締められる(25mmでも締結を確認)ので、長さはあまり気にしなくていいです。ただし写真のネジは材質が鉄なので、純正のネジとの錆びやすさは変わりません。

純正のネジと比べるとM3.5という点しか合っておらず、60本入りと難ありですが、鉄よりも錆びにくいステンレスがよければ下記のネジがありました。
Amazon.co.jp: TRUSCO トラス頭タッピングねじ ステンレス M3.5X20 60本入 B433520 : 産業・研究開発用品

錆びさせないために

さて、ここから先は少しテーマを変えます。

コントローラに使用されている金属はアルミニウムです。異なる金属同士を接触させると「電蝕」が起こり、負けた側の金属は錆びやすくなります。
金属単体では錆びにくいアルミニウムですが、鉄やステンレスを接触させると負けてしまい、錆びやすくなってしまいます。

つまり、使用したネジの材質のせいでコントローラ本体が錆びる可能性があるということです。実際にはアルマイト加工されていると思うので、その加工が剥げない限りアルミニウム本体が電蝕に晒されるわけではありませんが、ネジ穴部分は締結を繰り返すと剥げるかもしれません。
それを考慮した上でのネジ探しもしてみました。なお、側板用のアルミネジや樹脂ネジが見つからなかったので天板用のみです。

ネジの材質の選択肢

  • アルミネジ
    →第一候補。同じ金属であれば電飾は起こらない。
  • 樹脂ネジ
    →第二候補。金属でなければ電飾は起こらない。
  • マグネシウムネジ
    →候補外。アルミニウム側が勝てるが希少。
  • セラミックネジ
    →候補外。金属ではないが希少な上に高い。

つまりアルミ or 樹脂ですね。

アルミか樹脂か?

理想はアルミでしょう。
私が見つけたのは廣杉計器社の「ACBT-0410」「ACBT-0415」です。ネジの頭は高めになっています。

鍋屋バイテック社の「SETA-M4-10」「SETA-M4-16」の方が頭の高さが1mmと短く、長さはピッタリでいい感じですが、六角穴でなくヘクサロビュラ(別名トルクス)穴なので、別途専用のドライバーが必要になります。コントローラ付属のレンチは使えません。

樹脂ネジはアルミネジに比べて価格が安いです。今回、私はこちらを購入してみました。
一言に樹脂ネジと言っても材質には数十種類あるみたいですが、よく分からなかったので最も剛性があるらしい「RENY」にしました。
金属製ネジの替わりに使われるほどだそうから驚きです。要はプラスチックなので不安があったんですが、心配無用ですね。

購入したのは廣杉計器社の「RYCL-0410」と「RYCL-0416」です。

RYCL-0410とRYCL-0416と純正ネジ
スクラッチ側「左上:RYCL-0410 右上:純正のネジ」
ボ タ ン側「左下:RYCL-0416 右下:純正のネジ」
こげ茶っぽい色です

純正のネジの頭の高さは1.5mm(自分調べ)で、購入したネジの頭の高さは2.8mmだったので、1.3mm高くなっています。
ヘクサロビュラ穴でよければ、同様のシリーズに頭の高さが1.5mmとピッタリな「RYHS-0410」と「RYHS-0416」があります。

純正ネジを締めている様子
純正のネジ
頭がちょっと飛び出る
RYCL-0410

1mmほど頭部がアクリルから飛びでていました。触ってみると分かる感じなんですが、プレイに支障はないでしょう。

ネジの長さはピッタリでなければならないのか?

少し気になったので、16mmの長い方をスクラッチ側に締めてみます。
中身を見るために分解します。

側面分解
余談ですが、側板のネジで止められている黒いプラスチックの素材はABS樹脂です
純正のネジに防錆剤を吹く方もいるとは思いますが、KURE 5-56などの防錆剤をここに当てると溶けてしまうので注意が必要です

16mmのネジが最後まで締まりませんでした。中の構造上、引っかかってしまうようです。

スクラッチ側に16mmのネジは締められない
分かりづらいですが、赤丸の部分が引っかかってます

できるだけピッタリなサイズを使用した方がよさそうですね。
繰り返すようですが、側板の場合はかなり長くても問題ありません。

錆びの影響

電蝕によってどの程度錆びやすくなるかは分かりません。
純正のネジでも電蝕問題が発生するであろうことを考えると、個人的にはそこまで気にしなくてもいいのではないかとも思いました。
仮に錆びても天板でなければ通常のメンテナンスには影響がありません。

ただし電蝕に関係なく、ネジが錆びると実用上の問題が出るケースもあります。
天板のネジは1P/2P反転やボタン・マイクロスイッチ・ディスクラバーの交換等、メンテナンスにおいて回すタイミングが多いです。
その際にネジが錆びていると簡単には開けられなくなります。完全に錆びてしまったネジは相手にしたくないですよね。

特に錆びが進行している方は、天板のネジだけでも交換されることをおすすめします。

補足追記 (2021年)

この記事は、学生時代に運営していたブログの記事を書き直したものです。

ネジ錆び問題が当時ちょっとした騒ぎになっていたので、気になって調べた結果がこの記事でした。
今はエディション違い(エントリーモデル、プロフェッショナルモデル)が登場しているので、そちらだと問題は起きないのかもしれませんね。

プレコン自身は改善されていないようで、USB部分の着脱が可能になるなどバージョンアップをしていますが、ネジについてはそのままと伺っています。
この記事が誰かの役に立てば幸いです。

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