NURO 光 Safeという謎ソフトの月額料金は無料/有料?

結論を言うと、NURO 光 2ギガ(2年契約 or 契約期間なし)なら無料です。
2022年以前にカスペルスキーを無料で使えていた方はこの条件に当てはまっているので、無料です。

ちなみに、NURO 光 Safeはセキュリティソフト(アンチウイルスソフト)です。
NURO光が利用者向けに用意していたカスペルスキーの提供を終了したため、代替の製品になります。

NURO 光 Safeのホーム画面
目次

プランによって異なる

2022年10月、カスペルスキー利用者に同ソフトの無料提供終了とNURO 光 Safeへの乗り換えを勧めるメールが届きました。

セキュリティソフトを引き続きご利用いただく場合には、提供終了予定日までにNURO光マイページから「NURO 光 Safe」のお申し込み(無料)、および製品のインストールをお願いします。

https://www.nuro.jp/news_release/20221003_bundle/

しかし一方で、別なページには以下の記載があります。

初期費用   無料

月額     550円

NURO 光 Safe 料金・特典 | NURO 光

「お申込み(初期費用)は無料だけど月額550円かかるのでは?」と勘違いする方もいました。

これがどういうことなのかというと、プランによって無料か否かが異なるのです。
NURO 光 Safeに関わらず、プランによって付帯セキュリティソフトの無料提供の可否が定められています。

プラン名セキュリティソフトの無料提供
NURO 光 2ギガ(3年契約)×
NURO 光 2ギガ(2年契約)
NURO 光 2ギガ(契約期間なし)
NURO 光 forマンション 2ギガ(3年契約)×
NURO 光 forマンション 2ギガ(2年契約)×
NURO 光 forマンション 2ギガ(契約期間なし)×
NURO 光 10G×
NURO 光 20G×
NURO 光 10Gs / 6Gs
2022年時点の情報
「光回線のインターネット料金プラン | NURO 光」「料金・スペック | NURO 光 for マンション」「NURO 光 10G | NURO 光」「NURO 光 20G | NURO 光」「NURO 光 10Gs・6Gs | NURO 光」より
表には載せなかったが、NURO 光 TWというテレワーク支援サービスを契約している場合も無料となる

このうち「NURO 光 10Gs / 6Gs」は2021年7月に新規受付を終了したプランです。

大半の方が「NURO 光 2ギガ(2年契約)」ではないかと思います。
この場合、マイページのお申込プランの表記は「NURO 光 G2V」になっています。

NURO 光 forマンションの方も多いと存じますが、こちらは月額550円になります。
NURO 光 Safeになる以前から有料なので当然ですね。
※ややこしいのですが、NURO光 forマンションとは別の、主にアパートで使われるNURO 光 2ギガのマンションタイプは無料です

NURO光のプランって多くて複雑ですね。上記で網羅できていないプランもあると思います。
ちなみにNURO光に問い合わせしたのですが、返答によれば「NURO 光 Safeを有料で利用する方もいるため、ホームページの記載は有料の表記にしている」とのことでした。

マイページログイン後の確認方法

「オプションサービス・ご利用状況」から「NURO 光 Safe」を探してください。

標準オプション「NURO光Safe」

該当行に(標準オプション)という表記があれば無料で使用できます。

追記

この記事の公開後にQ&Aが更新されていました。

Q7. 「NURO 光 Safe」は本当に無料で使えるのでしょうか?(10月27日更新)

A7. 「(標準オプション)カスペルスキー セキュリティ」をご利用中のお客さまは初期費用、月額費用ともにかかりませんのでご安心ください。
※ご利用状況はNUROマイページの「オプションサービス・ご利用状況」にてご確認可能です。

https://www.nuro.jp/news_release/20221003_bundle/

私が問い合わせを行ったからか、もしくは同じ問い合わせが多かったから記載したのかもしれません。
問い合わせしたのは10月25日なので、2日間でQ&Aに反映したとなると対応が早いですね。

直近の2022年9月に回線が著しく遅い問題でTwitterでトレンド入りするほど炎上していたこともあって、サポート側も敏感になっていたのかもしれません。
個人的には回線が遅い問題はその後の対応も含めて良い印象を持ってはいませんが、この1点に関しては好印象でした。

NURO 光 Safeの中身はF-Secure SAFE

NURO 光 SafeはNURO光が2022年7月1日から提供を開始したセキュリティソフトです。
このソフトの中身は、フィンランドのF-Secure社が提供する「F‑Secure SAFE」です。

カスペルスキーはロシア製品であるため、2022年2月のロシア・ウクライナ問題後に手配したのでしょう。
ロシア企業からフィンランド企業への変更という、世情を意識した対応です。

F-Secure SAFEの評価

NURO 光 Safeという馴染みのない名称ですし、F-Secureは日本ではマイナーなセキュリティソフトなので警戒する方もいるかもしれません。
しかし1994年からある由緒正しいセキュリティソフトですので、心配には及びません。
第三者機関であるAV-ComparativesやAV-TESTでも高く評価されています。

2020年(後半)のAV-Comparativesの評価

製品名Real-World Protection TestsMalware Protection TestsPerformance Tests
F-SecureAdvancedAdvanced+Advanced+
McAfeeAdvancedAdvanced+Advanced+
KasperskyAdvanced+Advanced+Advanced+
2020年のAV-Comparativesの評価。AV-Comparativesはオーストリアのセキュリティソフト評価機関です

Standard/Advanced/Advanced+の3段階評価で、McAfeeと同等の評価であることが分かります。
この時のF-Secureは誤検知の多さで評価を落とされたようですね。

F-Secureは2021年から評価されていなかったので、2020年の評価を載せています。
セキュリティソフトベンダーが第三者機関の検査に参加し、さらに料金を支払うという仕組みなので、片方(AV-TEST)にだけ評価してもらえればそれでいいという考えなのかもしれません。

2022年のAV-TESTの評価

製品名ProtectionPerformanceUsability
F-Secure SAFE 186.05.56.0
McAfee Total Protection 26.06.05.56.0
Kaspersky Internet Security 21.36.06.06.0
2022年のAV-TESTの評価。AV-TESTはドイツのセキュリティソフト評価機関です

Protectionはマルウェアに対する強さ、Performanceは動作の軽快さ、Usabilityは使いやすさです。
こちらもF-SecureとMcAfeeが同着でKasperskyがトップですね。
ちなみに6.0が満点なのでまたもKasperskyが最高評価です。だからこそ惜しい。

過去にはF-Secureが最高評価を受けたこともあります。
この評価を気にしすぎるのはよくありませんが、少なくともまともなソフトウェアであることは分かるでしょう。

F-Secureを採用しているサーバーサービス事業者

個人向け製品であるF-Secure SAFEとは異なりますが、不安を払拭するために紹介します。
国内のレンタルサーバーやメールサーバーにはF-Secureを採用していることが多いです。

さくらのインターネット

ウイルススキャンエンジンは、F-Secure(エフセキュア)社のエンジンを利用しています。

ウイルスチェック機能を設定したい | さくらのサポート情報

エックスサーバー

はい、弊社サービスでは国際的にも高評価を受けているWithSecure社のアンチウィルスプログラムを使用しています。

よくある質問 - ウィルスチェック機能はありますか? | 法人向けレンタルサーバー【Xserverビジネス】サポートサイト

※WithSecureはF-Secureの社名変更後の名前です

ロリポップ

当サービスでは、日々送られてくるウイルスメールの受信を防ぐため、F-Secure社提供のウイルスフィルタリングを導入しております。

scan@lolipop.jp から「ウイルス検出」メールが届きましたがどうすればよいですか – ロリポップ!レンタルサーバー

個人的な意見ですが、これはF-Secureが他より優れた製品だからというよりも、企業のような大量導入を行う場合のコストが安いのではないかと思います。(あくまで考察であり、私が直接見てきたわけではありません)
もちろん「安いから」という理由だけで信頼性が担保できない製品は採用されないでしょうから、少なくともその程度の信頼性はあるということです。

ライセンス数が5台から7台に増えた

NURO光が過去に提供してきたマカフィーとカスペルスキーは、ライセンス数が5台でした。
NURO 光 Safeはこれが7台に増えており、より多くのPC/スマホ等にインストールできます。

Q2. 「カスペルスキー セキュリティ」から「NURO 光 Safe」へ切り替えるにあたり、セキュリティの内容に違いはありますか。

A2. 「カスペルスキー セキュリティ」と比べて「NURO 光 Safe」では利用可能なデバイス数が5つから7つに増えます。

https://www.nuro.jp/news_release/20221003_bundle/

5台でも十分なほどですが、仮想環境運用や多世帯住宅ならメリットになるでしょう。

私はメインPC・メインPCの仮想環境・サブPCで3ライセンス使用しています。
また友人とルームシェアしており、友人がさらに1ライセンス使用している状況です。
スマホにセキュリティソフトは不要だと思っているので5ライセンスでも足りるんですが、多いに越したことはないですね。

なぜ「NURO 光 Safe」?

「F‑Secure SAFE」ではなく「NURO 光 Safe」として提供した理由は、恐らく以下だろうと思われます。

ITmedia ?G???^?[?v???C?Y
F-Secure?A???Ј??̏?񗬏o?^?f?Œ????񍐂????J ???Ј??i???Ĕ??o??ɑސE?j?ɂ??SNS?ł̏?񗬏o?ɂ‚??āA???Г??̏???V?X?e???Ȃǂ̈??p?͂Ȃ??Ɛ??????A?l?b?g??ȂǂŎw?E???ꂽ?^??ɉ񓚂????B

2015年にあった、F-Secure社の日本法人の社員によるSNSでの情報流出事件です。
該当の社員は問題発覚後に退職したものの、日本のネット上ではF-Secureの評判が地に落ちました。

この事件はインパクトがとても大きく、事件をきっかけに流通も止まりました。
日本国内では購入手段が限られています。

後述の不祥事以後、Amazonをはじめとする日本国内流通各社はF-Secure製品の新規仕入・販売を停止しており、同社との直接取引以外での入手は難しくなっている。

F-Secure - Wikipedia
Amazon.co.jpでF-Secureを検索
2022年時点にAmazon.co.jpでF-Secureを検索した画面。16件しかヒットしない上に全て在庫切れ。さらに昔の製品という有様

そのため、マイナスイメージがある「F-Secure SAFE」という名称を避けたのだと思われます。

F-Secure側としては、これを足掛かりに日本での汚名返上を狙っているでしょう。
NURO側としても、恐らく他社のセキュリティソフトより安価で契約できたでしょう。
Win-Winだったというわけです。

昔(2015年)の話ですし、何よりソフトウェアは当時から良いものだと私は思っています。
100%のセキュリティは存在しないので、再発防止に努めているのならそれでいいという見解です。
2008年にトレンドマイクロ社のページにウイルスが埋め込まれたこととか、覚えている方いらっしゃいますか?
不思議と当時は話題になりませんでしたが、話題になっていたとしても10年以上前のことを掘り返す方は多くないでしょう。

NURO 光 Safeとマカフィーはどっちを選ぶべき?

記事執筆時点では「カスペルスキー」「マカフィー」「NURO 光 Safe」を選ぶことができます。
カスペルスキーは前述の通り提供が終了するので、選択肢からは外れますね。

結論を述べると、NURO 光 Safeをおすすめします。
マカフィーはいずれ使用できなくなる可能性が高いためです。

NURO 光 Safeのきっかけはカスペルスキー

元々、NURO光では「カスペルスキー セキュリティ」が無料で使用できました。

カスペルスキーのホーム画面

しかし、2022年2月24日にロシア・ウクライナ問題が起きてしまいます。
ロシア製だったカスペルスキーは国際情勢のリスクを抱えました。

そこで、NURO光は「マカフィー マルチデバイスセキュリティ」に切り替えられるようにしました。
これには日本国内の消費者がロシア製品に対する印象を悪くしていた背景があります。

現在ご利用中のセキュリティ対策ソフトを他のセキュリティ対策ソフトへ変更ご希望の場合、以下の方法で変更いただけるように準備を進めております。準備が整い次第、こちらのページにてお知らせいたします。

なお3月25日に「マカフィー マルチデバイスセキュリティ」の申込受付を開始いたしました。ご利用開始は2022年4月以降を予定しております。

https://www.nuro.jp/news_release/20220311/

実はNURO光がカスペルスキーを提供を開始する2013年より前は、マカフィーを無料で提供していたのです。
2013年にマカフィーからカスペルスキーに切り替えたものの、2022年に逆戻りした形になります。

そして、2022年5月17日にはカスペルスキーの新規受付を停止しました。
2023年3月31日にはカスペルスキーの提供を終了します。

ここで乗り換え先として案内されたのは、マカフィーではなく「NURO 光 Safe」でした。

この度、NURO 光を通じて提供しているカスペルスキー社のサービス「カスペルスキー セキュリティ」につきまして、サービス提供を終了することを以下ご案内させていただきます。

同サービスをご利用中のお客さまは、代替サービスとしてNUROブランドの総合セキュリティサービス「NURO 光 Safe」がご利用可能です。

https://www.nuro.jp/news_release/20221003_bundle/

恐らく、過去にNURO光がマカフィーからカスペルスキーに乗り換えたのには理由があったのでしょう。
マカフィーを案内しなかったということは、マカフィーを再度使えるようにしたのはあくまで暫定的な対応であって、今後はNURO 光 Safeへの移行を進めていくと思われます。

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