機種変更に失敗して消えたLINEのトークをワンチャン復元する
この記事は「利用することができません」の画面で詰んだ方向けです。
- 機種変更前の端末(旧端末)と機種変更後の端末(新端末)の両方が手元にある
- アカウント移行して新端末でLINEにログインしたが、トーク履歴がない
- 旧端末で起動すると「利用することができません」という画面になる
- 「確認」ボタンを押した先で削除していない
- 同じOS間(Android→Android、または、iOS→iOS)のアカウント移行である
LINEは基本的に1アカウント1端末です。
トーク履歴はアカウントごとではなく端末ごとに保存されるため、引継ぎ準備をきちんと行う前に新端末でログインしてしまうと、旧端末でログインできなくなり、トークを確認することもできなくなります。
このとき、旧端末でLINEにログインしようとすると以下のメッセージが表示されます。
利用することができません。
他の端末で同じアカウントを利用したため、この端末に保存された情報はすべて削除されます。

→今は違う画面らしいです
「確認」ボタンを押して先に進むと、削除を行う画面になります。
この時に焦って旧端末のデータを消してはいけません。
データを消さなければ、まだ復旧する手段があります。
※LINEは同じOS間のみトーク履歴のバックアップ・復元に対応しています。異なるOS間(例:AndroidからiPhoneに乗り換えた)の場合、トーク履歴を復元することはできません。詳しくはこちら→LINEあんぜん引き継ぎガイド | LINE
- 2023/09/23
AdGuard 4.xを使った場合の手順を追記。 - 2023/05/04
4月中旬辺りから端末の時間を進める必要が出てきたので手順を追加。
Android:NoRoot Firewallが2020年から更新されておらずAndroid 11以降に対応していないため、AdGuardを使った手順に差し替え。
iPhone:復元ソフトとDNS Cloakの記載を追加。 - 2023/04/12
ブロック対象のドメインが増えたので追加。
はじめに
原則、引継ぎに失敗したトーク履歴は復元することができません。
トークの内容はアプリ本体に保存される仕様です。
そのため、以下のような場合、消えたトークの内容を元に戻すことはできません。
- 自分でトークルームを削除した場合
- 機種変更、本体修理などで端末が変わった場合
- LINEアプリを削除(またはアンインストール)した場合
ただし、トークの内容を事前にバックアップしていた場合は、トークの内容を復元できます。
なお、トークルーム内の特定のメッセージを削除してしまったときでも、事前にバックアップできていれば、LINEアプリをアンインストールした後に再インストールすることで復元できます。
※LINEアプリをアンインストールした時点で、端末からはトークの内容が全て削除されますバックアップに失敗していた場合やバックアップしていなかった期間のトークは、復元できません。
https://help.line.me/line/ios/pc?lang=ja&contentId=20000233
トーク履歴のバックアップを参考にして、必要なトーク履歴は随時バックアップを行ってください。
困っている場合、まずはLINEに問い合わせしてみてはどうかと思いますが、基本的にLINEに問い合わせしても上記のQ&A以上の内容は返ってきません。
LINE側からしてもどうしようもないからです。
1行目の「トークの内容はアプリ本体に保存される仕様です。」が重要です。
裏を返せば「トーク履歴はお手元の端末の中にしかありません」ということです。
LINEのサーバーなどに保存されているわけではないので、LINE側にもどうすることもできないのです。
バックアップがあれば復元できるのですが、この記事にたどり着いた方は恐らくバックアップを取っていない状態なのではないかと存じます。
新端末にアカウントを引き継いだ時点で、旧端末のLINEは「利用することができません」の画面になって使用できなくなってしまいますね。
旧端末の中にトーク履歴が残っていたとしても、バックアップ操作をすることはできません。
そう、本来は。
これは抜け穴を潜ってどうにかする記事です。
前置きが長くなりましたが、「利用することができません」の画面が表示される条件は、以下のいずれかの条件に当てはまっている場合です。
- (インターネット経由でLINEサーバーに確認)他の端末でLINEアカウントにログインした場合
- 端末の起動中に「利用することができません」が表示されたことがある場合
- 前回「利用することができません」の画面になった時点から、一定時間以内の場合
1の条件について
LINEを開いたとき、LINEは「このアカウントが他の端末でログインされているか」を確認します。
確認先はLINEのサーバーなので、このサーバーとの通信を遮断してしまえばオフラインで利用可能です。
つまり、インターネットから遮断した状態なら「利用することができません」の画面にはならず、今までのトークも閲覧可能です。
電波が届かないところで起動してもトークを確認できるようにするためでしょうね
しかし、引継ぎを行う上で1つ問題があります。
引継ぎを行うときにトーク履歴をGoogleドライブ/iCloudにバックアップし、引継ぎ後の端末でバックアップから復元できますが、このバックアップにはインターネットの接続が必須です。
ということで、インターネットに接続しつつLINEのサーバーだけをピンポイントで遮断する環境にする必要があります。
2の条件について
LINEは1度「利用することができません」の画面になると、端末を再起動するまでは無条件で同じ画面を表示してしまいます。
そのため端末を再起動する必要があります。
3の条件について
1と2の条件を両方満たしたとしても、「利用することができません」の画面になった時点から一定時間経過しないと同じ画面になってしまいます。
この一定時間がどれくらいなのかは調査をしていないので分かりませんが、1日経過すれば開けることが分かっています。(恐らくは30分~1時間程度ではないかと思います)
これは端末の時間を進めることで対応できます。
Androidの場合
旧端末にAdGuardのインストール
旧端末に広告ブロックアプリのAdGuardをインストールします。
広告ブロックの仕組みは「特定のサーバーと通信を遮断すること」なので、これを利用します。
公式のインストール手順はこちらですが、以下のWikiページの方が分かりやすいです。
この場を借りてやきうのお兄ちゃん方にお礼申し上げます。謝謝茄子!
旧端末の再起動と時間変更
AdGuardのインストールが終わったら、旧端末を再起動してください。
再起動後はLINEを開かないようにします。
そしてAndroidの「日付と時間」画面を開き、端末の時間を1日後にします。
「日時を自動的に設定する」をOFFにすれば時刻を変更できるようになります。
※「日付と時間」の設定画面の箇所は端末によって微妙に違うので、ご自身で探してください

AdGuardを使ったブロック
まずはAdGuardを起動し、左上の「≡」から「DNSフィルタリング」を選択します。
※画面は有料版ですが、無料版でも同様のことができます

「DNS通信を保護」を選択します。
※選択するのはON/OFFのスイッチではありません

「DNSフィルタ」を選択します。
※選択するのはON/OFFのスイッチではありません

「ユーザーフィルタ」を選択します。
※選択するのはON/OFFのスイッチではありません

設定画面が現れるので、ブロック対象を追加してください。

- *.naver.jp
- *.line-apps.com
- *.naver.com
- *.navercorp.com
ブロック対象は上記です。
全て追加したら次に進んでください。
*(アスタリスク)はワイルドカードと呼ばれる特別な文字です。トランプにおいて他の全てのカードとして使用できる特別なカードが語源です。
「server1.naver.jp」「server2.naver.jp」みたいなドメインがたくさんあるので、全てブロックするためにこのような設定にしています。
端末の環境によっても接続先が異なるようで、「legy-jp-addr.line.naver.jp」だけでOKなパターンがほとんどなのですが、上手くいかない方もいるようなので、念のためまとめてブロックしています。(珍しいパターンだとイタリア在住の方など)
設定が終わったら最初の画面に戻って、保護を有効にします。


AdGuardの旧バージョン(v3)の場合はこちらをクリック
※旧バージョンの手順です。最新バージョンを使っている場合は当てはまりません

「DNSフィルタをカスタマイズ」を選択します。
※選択するのはON/OFFのスイッチではありません

「DNSユーザーフィルタ」を選択します。
※選択するのはON/OFFのスイッチではありません

設定画面が現れるので、ブロック対象を追加してください。

- *.naver.jp
- *.line-apps.com
- *.naver.com
- *.navercorp.com
ブロック対象は上記です。
全て追加したら次に進んでください。
設定が終わったら最初の画面に戻って、保護を有効にします。


(AdGuardが使えない環境の場合)NoRoot Firewallを使ったブロック
ブロック対象はAdGuardと同じです。
Google Playから「NoRoot Firewall」をインストールします。
アプリを起動すると「スタート」の文字があるので、それをタップしてください。

画面下から「アプリ」を選んで、表示された一覧の中から「LINE」を選んでください。

設定を追加する画面に遷移します。
試しに「*.naver.jp」をブロックしてみます。
「新しいカスタムフィルタ」から画像の通りに入力してください。
- 2つあるアイコン:どちらも×
- アドレス:*.naver.jp
- ポート:*

設定を追加すると以下の画面になります。
赤い×印がついているか、文字列が合っているか確認してください。

これを他のブロック対象にも実施してください。
これでAdGuardの準備は完了です。
トーク履歴のバックアップ
LINEを起動してください。
「利用することができません」の画面が表示されなくなっているはずです。
通常通り操作できるので、普通に友達とのトークを確認することもできます。
[ホーム]-[設定]-[トークのバックアップ]を選んでください。
設定はホーム右上の歯車アイコンです。
選んだ後はGoogleドライブにトーク履歴をバックアップします。

バックアップが成功すればOKです。
あとは新端末で同じ画面に遷移し、復元を選んでください。
トーク履歴が復活すれば完了です。
iOS(iPhone)の場合
結論を述べると、この記事の内容ではなく、復元ソフトの使用をおすすめします。
PCがあれば可能です。
この記事をご覧になっている方のほとんどが恐らく検索してこの記事にたどり着いたのではないかと思いますが、他のサイトでは復元ソフトが紹介されていたでしょう。
私が調べた限りでは「iCareFone for LINE」か「iTransor for LINE」の2つがおすすめです。
どちらも中国系のソフトウェアですが、LINEに特化した復元ソフトであることと、公式サイトの充実具合で選びました。(前者の方が公式ページのマニュアルが充実していてより親切に感じました)
他の復元ソフトでもいいですが、LINEに特化していないソフトにはトークデータの移行機能が実装されていないのでおすすめしません。
これらは有料ですが、トークデータを復元可能かどうかを試すだけなら無料です。
調べれば使用例がたくさん出てくるので、安全性については大丈夫だと思います。
私自身は使用して復元したことがないので、使用方法などは各自調べてください。
それでもこの記事の内容を実施する方法
セキュリティの都合上、iOSの場合はアプリの仕様がAndroidよりも厳しいので、広告ブロックアプリの設定やLINEのトーク履歴引継ぎの難易度が高いです。
iOS向けの広告ブロックアプリがAndroidよりも少ない事情をご存じの方もいらっしゃるでしょう。
難易度が高いと感じる場合は素直に復元ソフトを使う方法に方向転換するのが吉です。
まずは下記から好きな広告ブロックアプリを探してください。
DNSCloak以外は有料なので、DNSCloakが無難でしょう。(AdGuardの無料版は機能が制限されているので不可です)
DNSCloakの設定方法はメメさんのnoteが分かりやすかったので紹介します。
この記事を参考に、Android版と同様に設定してみてください。

端末の再起動や時刻の変更についてはAndroidと同様です。
時刻の変更は設定の[一般]-[日付と時刻]から可能です。

LINEのバックアップの操作方法は変わりません。
バックアップ先がGoogle DriveではなくiCloudになるだけです。
ただし、Androidと違ってiOSではLINEアプリ内からトーク履歴の復元ができません。
注意:
https://help.line.me/line/ios/pc?lang=ja&contentId=20007389
トークを復元するには、LINEアカウントの引き継ぎを行う前にiCloud Driveをオンにしてください。
既にLINEアカウントを引き継ぎ済みの場合は、LINEの再インストールを行ってください。(詳細はこちら)
※[ホーム]>[設定]からの復元はできません
そのためまずは旧端末でバックアップに成功させてください。
成功を確認した後、新端末のLINEを再インストールし、LINEのアカウントを引き継ぎ直してください。
※ここで引継ぎに失敗すると、旧端末と新端末の両方のLINEアカウントが使用できなくなる恐れがあります。気を付けてください。
トーク履歴の復元画面が表示されたら[トーク履歴を復元]をタップしてください。
それで引継ぎ完了です。
Androidにも言えることですが、ネットワーク技術に精通している方なら広告ブロックアプリをインストールせずともブロックできることに気づいているでしょう。
例えばNECのAtermルーターにはDNSルーティングという機能があり、ドメイン名を指定して、特定のドメインとの通信を遮断することが可能です。
ワイルドカードを指定できれば完璧なのですが、もはやファイアウォールやWebフィルタリングの領域だしそういうルーターは少ないかな?
他にも自分でVPNを立ててフィルタリングするとか、自信がある方なら挑戦してみてもいいと思います。
あとがき
この記事はだいぶ前に私が同じ状況に陥ってしまい、試行錯誤してたどり着いた答えです。
端末はAndroidです。AdGuardを使って成功しました。

2020年2月当時とLINEの仕様が変わっているので、同じ手順での成功はできなくなりました。
私自身はAndroidでしか試していません。
Twitterやお問い合わせページから質問をいただき、それらの情報を総合した結果がこの記事になります。
中にはトーク履歴そのものが消滅しており、復元が不可能になっていた方も複数いらっしゃいました。
よくよくお話を伺ってみると、iCloudのバックアップでiPhoneを復元したり戻したりしていた方に多かった印象です。
私自身もこの記事とは無関係に、2023年4月頃になぜかLINEのトークデータが消えてしまっています。
復旧の見込みがない場合は諦めることも大切です。
昔のLINEはそもそもトークデータの引継ぎ機能がなくて、トークは消えるものでしたからね。
ちなみに機種変更などを行っていない日常使用の中で発生したので、何がトリガーになったかは不明。LINEに問い合わせしてもまともな返事はなし。試しに使った復元ソフトでも閲覧不可。もういいやと思って自分で中身をぶっこ抜くと画像データと暗号化されているトークデータっぽいものが見つかったので消えているわけではないことが分かりましたが、その時点で面倒になって放置しています。
私の周りでも「機種変したらトーク消えちゃった」という経験をした人はそれなりに多い感触なので、同じ状況に陥ってしまった人は実は結構いるんじゃないかと思います。
引継ぎをミスる方が悪いと言えばそれまでなのですが。
LINEの引継ぎ周りの仕様は特殊だし慣れてないと分からんよね。